俺は忍で、 忍というものはまずなによりも任務の遂行を重んじ、 そのために自も他も押し殺すことも厭わず、 ときには命すらも危険にさらし、 傷を負い、傷を負わせ、 いろいろなものを踏みにじることに躊躇いを見出さず、 冷静に、冷徹に、冷酷にあるものだ。 その生き方をお前が好しと思わないことも 俺はわかっているつもりだが、 それでもこればかりは俺は譲れん、俺は忍だ、 ひとりの人間である以上にそう思っているふしがある。 だからお前をかえりみることのない月日もあろう、 お前が嫌と言っても振り切って出ていくこともあろう。 お前を、俺なりに大事に思っているのは、 それは嘘ではないが、それでも、 お前につらい思いも嫌な思いもさせ続けることになるだろう。 わかっていながら俺はそれを改めることをしない。 俺がそうして生きている世界と 関係のないところでお前は育ち、 きっとこんな男と関わることになるなどと 考えもしてこなかったろう。 けれど俺は自分の立ち位置を お前のために捨てようとは思えない。 俺はそういう男だ、 お前よりも任務が大事と正面きって言えてしまう。 どんなに大事にしているつもりでも、 二番目にしか想ってやれん。 さんざんなことを言っているのはわかっているが、 その場しのぎを言うのを親切とは俺は思えない。 世間の女達は俺のようなのを ろくでもない奴とののしるだろう、 それで間違っていないと俺自身も思う。 お前はいい女だ、少しばかり待てばもっとやさしい、 俺よりもお前を大事にしてやれる男が絶対に出てくるぞ、 お前だってそれはわかっているだろう。
──それでも、
それでも、俺でいいのだとお前が言うのなら、
(彼女は涙目でうんと頷いた)
結婚しよう。
■言い訳 前置きの長いこと! わかりづらいですが文次郎のつもりでした。 コブクロの特番見てしまって(乗せられやすい
この時代、 結婚という言葉は常用語として存在していたのか? そのあたりの判断は「平安時代にあればセーフ」という マイ基準でもって判断していますが、 まだちょっと調べ切れておりません。 ヒロイン名もこの基準で設定しましたが 実はちょっとヘマしてしまいました。
夢小説としては「お前は二番目止まり」というのは あり得ない気もするんですが、 「俺から恋をとったらなにも残らないぜ」というのが 逆に嫌で……(笑 恋人を想うのと別に、大事ななにかを持っている人、が すごくかっこいいなあと、よく思うのです。
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