ヒロインの過去編、ていうのは本当はあまり書きたくない。 いろいろな意味で話の山のひとつなのだろうと思いはすれど、 だからといってこの山を越えたところに 物語として大切な局面があるわけではなく。 だだ流しにいちゃつくだけの話になるしか末のないこの話は この時点で少し失敗気味と言える。
なげけとて月やは物を思はするかこち顔なるわが涙かな まるで泣き嘆けばよいと言わんばかりと、 月が私に物思いをさせているのでしょうか、いいえ、 そうではなくこれは恋の想いのため。 なのにまるで月がさせているかのように、 流れる涙を月のせいにしてしまったりして。(西行法師)
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