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大人になったら という、幼い頃の口約束を、
本当にしてみる気はないかと、問うつもりでいた。

ところが君ときたら、
恋愛感情とは似ても似つかない情熱を爛々とその目に宿し、
まるで睨み上げるように私を見据えて言ったのだ。

「やっとあんたと同じ位置に立てたわ。
 もう子ども扱いはさせませんからね!
 とりあえずちゃん付けで私を呼ぶのをやめてもらえない、
 利吉さん」

まぁ、ほんの数歳差ではあったのだけれど……
では君も、やっと私をちゃん付けで呼ぶのを、
卒業してくれるということで。
ああ、それはもう、願ってもない……

「いいよ、君がそう言うのなら、従おう。
 私と君とは対等と、そう思っていいね」
「もちろんですとも」

得意そうに言ってみせる君は、
確かに強がりや背伸びでは決してない、
もう立派に大人の女性と呼んでいいのだろう。
幼い頃に愛おしんだはずのなにかはきっと、
いつの間にか淡く色褪せ、枯れ崩れて消えてしまった。
それを惜しいと思う私の内心はなにか、
ひきつれた痛みのようなものを覚えるのだけれど、
同じように君の目から覗いてみれば、
私からも失われたものがあるのだろう。
幼いなにかが身から剥落して、
ひとは口々にそれを喜び讃辞を向けてくれるけれど、
当の本人には言われるほど顕著な変化の自覚がなくて、
面映ゆいやら、素直に喜べないやら……
どことなく寂しいような、切ないような。
慶事を迎えたことを自分だって疑ってはないというのに。

君が追いついてくれることを、
私はじっと待って今を迎えたけれど、しかし、
君はそんな私に気付かず、
先へ先へと走っていくことばかりを夢見ている。
今度も私は待つ番なのか。
走って先へ行ってしまった君が、
いつか振り返ってくれたそのときには、
君はやっと私に気がついてくれるんじゃないだろうかと、
少しばかり、期待している。
ただの幼なじみとか、戦友なんて私ではなくて、
君を君ひとりの存在として見つめている私に、
気付いてくれはしないかと。

そのときこそは、私は臆せず、君のとなりに並ぼう。
そうして私を見上げたその目には、
もう少し甘い情熱が宿っていてくれることを、切に願う。






言い訳
別に眠れぬわけじゃない。
お前と一緒になどしてくれるな。
ただ、この冷たい空気……
冴え冴えと渡っていく冬の底を見ていると、
自分も芯から澄み切っていくような気がしはしないか。

なにを笑っている。
ロマンチストだなどと、お前に言われる筋合いはない。

もう明日だ、夜が明ければすぐの朝の話だ。
今更慌てたところでどうなるでもない。
やるだけのことはやったのだろうが。
腹をくくれ、男らしく。
……ああ、女か、
わかった、わかってる、怒るな、冗談だ……

……よく考えれば、
この試験を落としたところで死ぬでもなし。
けれど必死にはならねばならん。
先の展望を、俺たちは掴みたがっているのだから。
そのために惜しむのは勿体のない話だろう。
今お前に、やり損ねたと悔いが残っているのなら、
こんなところで油を売っている場合ではないぞ。

……だが、まぁ、
がむしゃらにやりすぎるだけでも、
ことがすべてうまくはかどるわけでもなし。
道理は複雑にできているものだ、
明らかな根拠も理由もないことだというのに。
自然とか、いつもどおりでいられることが、
たぶんいちばんいいのだな。
そしておそらくそれがいちばん難しい。
けれど、わざわざ面倒に考える必要もないだろう。
あとはなるようになれ……
ま、楽しめれば、いいだろうな。

一緒にするなと言いながら、俺ばかりが喋っている。
……誰かと話してみたかったのかもしれん。
なに、弱気になっているのではない。
此度の試験はお互い競い合うでもない、健闘を祈る。
そろそろ眠ろう。

難しい事情もなにもかもをすっ飛ばして、
最後には皆で笑えたらいい。
……ロマンチストと呼ばれても、
否定ができない気がしてきた。
夢見がちなところは、俺にも少しくらいはある。
一流の忍にと声高に言い続けてきたのは俺だ。

せめてゆっくり休めよ、寝坊などするなよ。
お前は最後の最後でいつも詰めが甘い。
俺の隈はもう睡眠時間を確保しただけで
簡単に取れるようなものではないからな。
自分の身体のことは把握しているつもりだ、案ずるな。

では、明日。
お互い無理のなきように。






言い訳
忍たまキャラ占いというのをやってみたら、
のねむさんは小平太ですと言われた。
ラッキープレイス富士山の頂上って……
いやぁ、強いて言うなら滝だと思ったなぁ(笑
口の達者なところを共通点と思うとしてもしかし、
努力をしてから言うのとしないで言うのとが
決定的な差で、それが絶対的だなと思うわけです。
自分は彼のような努力という名の裏付けがないので、
狼少年的に浮いていくわけです。
と思うと、滝だと思うなぁということすら失礼な……

あっ くりぼうさん!
バトン繋いでくださってありがとうございましたー!
「なんちゃらバトン」ってあれのねむが勝手に
呼ばわっただけだったんです;
エロ親父の描写は
「こう書いたらくりぼうさん喜んでくれるかな!」
くらいの勢いで書いていました(殴
すみませ……
今更年始の御挨拶を目論んでおります……(沈

 * * *

拍手
1月
13日/10時、15時、16時、20時、22時

拍手をくださいました皆様、ありがとうございました。
そろそろお引っ越しのことを考えております。
ネット環境も一緒に引っ越さなくてはと思うと
あんまりサイトにかまけていてはいけなかろうなと
思いますが……うううん

 * * *

7企画の続きを書いていてまず詰まったのは、
昼休みには組っこがどこを訪れるのかという選択肢。
つまり、学年別か、委員会別かというところ。
どっちも美味しい。。






努力とこんじょー
公式サイトを見てきたら、
28日から15期再放送になっていた(笑
タカ丸さんの初登場がふたたび……!
16期はやるものと思って期待していいでしょうか。。
キャラ図鑑で久々知くんと食満先輩をあれだけ
どかんと出しておいて、なしとは言わないで欲しいなぁ。
お正月の忍たまセレクションは、
厳禁のかわりに土井先生の女装という手を使ったのかと、
ここ二・三日で録画を確認して思いました。
ううううん穿った考えをしてしまうのは
大人の思考回路の面白くないところ……

 * * *

拍手
1月
9日/0時、7時、16時、22時、23時
10日/0時、16時、21時、23時
11日/0時、20時、22時、23時
12日/4時、17時

拍手をくださいました皆様、ありがとうございます。
作品とは関係がないんですが、
もくじページがすごく見づらくなってきたので、
整理しようかなと思っています。
この機にこういうふうに変わったら見やすいかも
というのがあったらぜひ耳打ちプリーズです。

ちなみに
ぺぺろんで作品ページを別窓に設定しているのは、
ひとつの窓にメニューや他リンクなど、
文章以外のものを表示させたくなかったからです。
事務的な窓とおはなしの窓は別にしたいなと、
そういう思いがあったためでした。
なので、作品ページを同窓表示に変更する
ということだけはしないです(笑

 * * *

1月8日の記事の難読漢字セレクション回答
括弧内を反転でどうぞ

01)蛞蝓  (なめくじ
02)鐚一文  (びたいちもん

でした。
一問目はともかく二問目わかったときは
自分でも意外でちょうスッキリ! でした。
金偏と悪の旧字という組み合わせで
悪銭」という単語が閃いたのがきっかけでした。
それを「びた銭」とも言っていたものねと。
いやぁ……偉大です、落乱。
「雪月花に結ぶ」は実は、
全体的に私の劣等感を集めたような話で
──というのはお話の内容のことではなく──
これの夏休み・前後編を更新したとき
(個々の閲覧者さんについては
 あまり喋らないほうがいいとは思うんですけども)、
即座に「面白かった!」て言ってくれた方がいたんですよ。
お名前も存じ上げませんが。
それがすごい嬉しかったもので、
頑張りたかったんですけども、偉そうなことを言う割には
この話の続きは面白くなっていないのです。
なんだ秋休み編のあのダラダラは orz
前作よりも劣っているのが明らかな話をお目にかける、
ということのなんと言いましょうか、無力感というか、
そういうのがずっと取りまいていたのです。
それがほんのちょっぴーり、冬休み編の後半で、
盛り返せたかなと、ちょっぴーりだけ、思いました。
例えるなら、
ガトーショコラにさらっと粉糖まぶすじゃありませんか、
あれっくらいのちょっぴり、なんですけどもね。
……なにか、少しか、
ましになったと思っていただければ、いいんですが。

内容に関して、箇条書きで。
・この時代には初詣の習慣はないはずです。
・日本神話が好きです。よくネタにする。
・文次郎のトラウマをきれいさっぱり
 消してご覧に入れたつもりです。
・雪降った長い石段を人背負って降りるとか、
 現実問題あり得ません。
・この時代の甘酒は「つめた~い」がデフォルトらしいです。
・ありがちなラブシーンです。
 きれいごとは書きたくないと言ったの誰だと
・でも、ましに書けたと思っている これでも。

そんなこんなでした。
卒業編まで書いて完結にしようと思います。
卒業編はあまり長くしたくないなあ

反省
小夜さん出しちゃった orz
 
プロフィール
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のねむ
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女性
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