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年齢操作でない一年生相手というのは初めて? かな?
当初イメージしたこと、こういうものを書いてみようと思った点、
とは結構違うところに着地してしまったお話です。

文章だとむしろ
会話の応酬が読みどころなのかもしれませんが、
会話しているだけで一向に舞台が動かない、
彼らが行動しない、という点が物足りなく読めちゃうかな、
と少し反省。

三治郎が滞在した街の描写、エピソード一部、
ある児童書の影響を受けています。
とてもきれいなお話だったのだけれど、
最後に私の好きなキャラが死んじゃったっていう;
いつもそうなんだ……好きなキャラは死ぬか
犯人だったか裏切り者だったかとかなんだ……
もう(二次元に)恋しないほうがいいのかもしれない。
いや、読む以前に書かれてるものだから
私のせいじゃないけど(笑
つまりそういうキャラを嗅ぎ分けて惚れてしまう、
ということなのかな。
ふざけているのはタイトルのみです。
小松田さんのお仕事大事だなあ、と思った、
というだけのお話です。
恋愛要素はなし、そもそもヒロインの出番自体も申し訳程度です。
小松田さんは夢小説の相手役として考えたことがなくて、
今回チャレンジしてみたのも
きっと彼のお仕事が云々を言いたかっただけでした。
公開場所が(便宜上)夢小説サイトだからじゃあ、ということで
名前変換も仕込んでみただけなんです、たぶん。
ふつうの小説でもよろしかったでしょう。
それを無理矢理変換仕込んで夢仕立てにしてしまうのは、
ここで公開するものはそうしたものであるから、という
なんかルールに則っただけのような気がします。
あんまり意志の感じられない作品と言わざるを得ませんね、
そこら辺の体裁。
戦実習を終えてもうひと月ほどは経とうか。
争いの気配は色濃く残るも、
すでに人ひとりも見かけなくなった戦場跡に、
伊作はここ数日ずっと出かけている。
伊作独自に絶妙なカスタマイズを済ませた救急道具を負い、
目立たぬよう・誰に悟られることもないよう
こっそりと学園を出て、
夜も更けた頃になってやっと戻ってくる。
いったい何をしているのかと問いただしても、
伊作はいつものやや困ったような笑みを浮かべ、
いや、言うほどのことではね、ちょっとだけ、
などとぼんやりとした言葉を並べるばかりである。
訝しく思った悪友一同はそれで、
出かけてゆく伊作のあとをつけてみることにした。
町の手前までは歩き慣れた道を行き、
途中から山へ入り、
そこからは木々の枝を渡って走る。
凄まじい戦の通り過ぎたその跡地には
戦の前まではちいさな村があったが、
跡形もなくなってしまったそこにいま住む人はない。
戦場跡地に踏み入る少し手前で、
ふ、と伊作の姿がかき消えた。
あのばか、きっとまた穴にでも落ちた、と思って
友人たちは気配を殺すのを忘れて駆け寄ろうとする。
と、彼らの後ろから呆れたようなため息が聞こえた。

──やっぱりつけてきていた。
──悪趣味だなあ、

まんまと友人たちをあぶり出すことに成功した伊作は、
彼らを軽くにらんだ。
それでも彼らのしたことは
己を心配するがゆえであったろうと思うから、
まあいいか、と水に流すことにする。
なにをしに来ているのかと問う友人たちに、
伊作はそっと、戦場跡の向こう側を指さして見せた。
かつては村だったその場所に、
ひとりの少女がうずくまっている。
ぼんやりとどこともない場所を見つめ、
じっと座り込んだまま動こうとしない。

──村の人々と一緒に戦からは逃れたのだけど、
──毎日戻ってきては跡地をああして見つめているんだ。
──僕が気づいたのは数日前のことだけど、
──恐らくそれよりもずっと以前からそうしているんだ。

伊作の示す方を見つめながら、その声に皆が耳を傾けた。
沈黙が話の先を促している。
伊作はまた口を開いた。

──何かあればと思って
──一応救急道具なんか携えてくるけれど、
──目の当たりにすると僕は声をかけることが出来なくなって……
──彼女の邪魔をしない場所で、じっと見守っているんだ。

ねえ、と伊作は問う。

──世間では、ひと月も経ってしまえば
──戦は過去のことのようだ。
──争っていたはずの人々も日常を取り戻し始めている。
──それを遠く取り巻く人々は無論。
──荷担した僕たちの意識も、もう次の実習へ向いている。
──世の中は先へ先へとすぐ歩みたがっているけれど、
──きっともう少し立ち止まって、もう少しうずくまって、
──考え込んでいたい人もいるはずなんだ。
──僕たちになにが言えると思う、

世の中の巡りの速さに抗いたくなって、
歩みを止めることを、誰が責められるものだろうか。

──たとえば、戦で負った怪我を手当てするとか、
──村を立て直す手伝いをするとか、
──僕らに出来ることは探せばいくらも見つかるだろう。
──実際、こまごまと小さな手伝いは僕もしてみたし、
──この村にもいまあちこちの村や町や城から
──いくらも助けの手が差し伸べられている。
──その好意は本当に役に立つ助けだと思うんだ。
──けれど何というか、難しいのだけれど、

言葉を探し、言い淀んで、伊作は一拍口を閉じた。
やがて。

──僕らはそうやって、まだ考え込んでいたい人に、
──いいからさっさと立ち上がれ……なんて、
──つめたく言い放っているってことは ないだろうか

うずくまったままでいる少女を振り返り、
伊作は静かに続けた。

──僕たちは、自分以外の人についても、
──希望とか幸福とかを願いたいわけだよね。
──だから一緒にがんばろうって言うんだけど、
──思いやりをもって言う、つもりなんだけど、
──その思いやりはもしやすると、
──相手を置き去りにして突っ走っていることが
──あるんじゃないかとか、思うんだ……

考えること、感じ入ること、立ち上がろうとすること、
そうすること、その後のすべて。
その人がいちばん心地よい速度でそうしようとする、
それを己は邪魔してしまうのではないか。
無理矢理手を引き、立ち上がらせて引っぱって走る、
それを強いてはいないだろうか。

──がんばれと、がんばろうと、言うほうはね……
──思いやりとか親切のつもりでそうするから、
──言われたほうは退けがたいじゃない。
──我慢して付き合ってくれても、
──本当は苦しいってことあるんじゃないかって……

──それで、伊作はどうしたいんだ。

ひとりが問うた。
うん、と伊作は頷いて、しばらく黙り込んだ。
僕も考えている途中、と呟いてから。

──彼女がしたいようにすることに、
──致命的な邪魔をしないように、ただ見てる

それは、
現状を手当てしていくために微々たる力にしかならず、
絶対量の足りない助けに過ぎない、かもしれない。

──でも、考えてしまうんだ、
──本当に思いやりのある、本当に役に立つ、
──本当に真摯な言葉や行動って、
──いったいどんなものだろうか……って

そう考えて、思ってしまったときに、
無責任にがんばれとも前を向けとも言えなくなってしまう。

──彼女が、誰かの手を借りたくなったときに、
──それが僕でかなう役目であるなら、
──手を差し出せるところに待っていようと思って。
──それが正しいかどうかは、わからないけれど……

痛みを被った当の本人ではない己が、
本当の意味でやさしく、押しつけがましくなく
彼女に寄り添う方法を、
いまは他に思いつかないのだ……と伊作は言った。
だから毎日、この場所へ通ってきては、
じっと考え込む彼女を遠く見守っている。

ひとしきり語り、
歯がゆそうに少女を見つめる伊作を、
友人たちもまた黙って見つめるばかりである。



 * * *



誰もそれをいいとは言わない。

物事の善し悪しを本当に正しく判断できるくらい
補完された存在では人間はない、ような、気がします。

ただなんというか

思いやり、好意は、
深刻な問題を孕んでいない限りは
周囲の人間が無責任に批判できる代物ではない、と。

さて、

皆様、お元気ですか。
あなたの心は、あなたにとって、あなたなりに、
いま平穏ですか。
もしもそうならば、なによりのことです。
そうでないならば、あなたに寄り添う手が
あなたのそばにありますように。

ファン創作の主旨とはそれはもう様々にありまして、
書いておきながら自分で主張できない
いろんな事柄があるわけなのですが、
第三者の閲覧者様方にとりましては、
娯楽の役割をわずかなりと担うものであろうと思います。
殺伐としたものが多く思われて
娯楽を名乗るのもおこがましい気がしてくる
拙作ではございますけれども、
つかのま 何らか お気持ちに芽ばえるような
そういうものになれたらいいなと
願うばかりは、願っております。

私は元気にしております。
どうぞ皆様、お元気で。
またこちらで、お会いしましょう。

のねむ
任務で出かけてゆこうというわたしに向かって、
あのひとは決してがんばれとは言わない。
誰もせいぜいちょっと背を押すくらいの意味合いでもって
口の端にのぼらせるような言葉なのだ、
それがあのひとはその語の中に
さまざま重たげな意味を見てとって
あえて言うのを避けているようである。
くの一の任務の内容が内容であるだけに、
それをがんばってやり遂げてこいと言うのは
憚られるのだろう、なにせ一応は恋仲の女が相手である。
気をつけろ、とか、無理するな、とか、
精一杯の思いやりをあのひとはそうした言葉に託す。
あのひとのやさしいのは、こんな些細なところ。
わたしを傷つけることのないよう、
声に出さなければ気がつかないような
ちいさなことに気を配る。
その想いに報いたいがため、早くそばへ帰りたいがために、
わたしはあのひとがあえて口にしなかった言葉を、
己の内に強く強く念じて駆ける。

『あのひとはがんばれと言わない』



 * * *



ほか、行って来い、とも言わない。
くの一ヒロインを見つめる優しい誰かの目。

ただ、頑張れと言うなというのも、

なんていうか、
最近のこの世の中、
言葉でも何でもやたらめったら過敏で
ときどき気が滅入ります。

軽やかにでも応援してはいけないのかと思うし。
命令口調が悪いのか。
一方的に応援を放り投げるだけ投げて、
自分は他人事ですと顔を背ける、というふうに
聞こえるのがいけないのか?
じゃあ、「頑張って」ならいいか。
少しは聞こえがやわらかい。
「頑張ろう」なら一緒に手を取り合う感があるからセーフか。
この一年ほど、よく聞きますね。

いちばん奥底にある励ましの気持ち、思いやりの気持ちは、
言葉の使い方がどうであっても
責められるべきところではきっとないと思うのだけれど、
言葉じりでわずかにぴりっと痛む聞こえ方をしたら、
もうその言葉はアウトってことになって、
私は心落ち込みやすい多くの友人を励ますのに
「頑張れ」と言ってはいけない雰囲気に
とらわれてしまったりする。
大体にして「心落ち込みやすい」友人ていう言い方も
アウトになりそうな単語そのものを避けている。
本人たちが自称するのに、
まわりが言うのはアウト気味に思われるようですね。
いい加減オブラートが鬱陶しいときがあります。

人付き合いってそんなものかなあ。

こうやってもの書いて出して、読んでいただいてっていう
相互のやりとりをするウェブサイトをやっていると、
自分の思惑通りに必ず読まれるわけではない、
ということを感じることがあります。
できれば自分の思っていることを
そのまま相手に受け取ってもらえる、という意味で
かなった、正しい言葉を使いたいものですが、
未熟なものでなかなかそうもいきません。

人間の機能のうちには
少ない手がかりからその奥にある真実を想像する、
推測するっていうものがあって、
それが発達してきたのは
伝達手段の未熟さをフォローするためなのではないかと。
見聞きできるわかりやすい手がかりが
ことのすべてだとは思わず、
その奥に相手の気持ちがあるんだってことを
肌で感じることができるような。
ちょっと発達しすぎたのかもね。
想像して推測して思い込んでしまうようになったり。
本当のことを確かめるために本人にぶつかるのは恐いとか。
それは私も恐いな。あんまりぶつかりにいかないな。
あと、これでことのすべてが出揃った、
と思いたくなるくらい情報が多すぎるんだろうな。

突き詰めると自意識過剰と自己中心、というとこに
私の思考回路は行き着いてしまいます。
それは私が人の言葉じりにイラッとしたときの
感情と思考を解剖したらそういうことになるから なのですが。
他人様は自分が思っているほど
自分のことだけ考えていてくれるわけじゃないのだ。
自己中心という言葉はあまりいい意味に思われませんけれど、
誰でも自分を中心に置いて考えるのが第一歩だと思います。
普通で、一般的で、いわゆる通常運転で。

そう考えたら、普通にしてようよ、っていう意味じゃないかな、
頑張れって。

いつもどおりでいようぜって。
一緒にいようよって。そういう。
落ち込んでいるならいつもどおりになれるように、
すでに頑張っている人に自分の元気をそそぎ込むように。
すごく極端なことを言うと、人間って普通の状態ですでに
そこそこ幸せな生きものなんじゃないかと。
頑張れって人に言うときってほとんどの場合
言うほうの人間の心地はそれくらいナチュラルじゃないかしら。
悪気があるはずもなしで。
よく、悪気がないならなにやってもいいのかっていう
反論もあるんだけれど、
そういう反論を受けるほど問題視されることではないような。
この時点でもう過敏と思うのだけど。
頑張れと言ったとき、言った人の気持ちはすでに
相手に寄り添っているんじゃないかな。

「応援」と言っても「励まし」と言っても
アウトに思われてしまうときがあるけど、
つまり、元気付けたいとか、笑ってほしいとか、
そういうときに出る言葉のひとつではありませんかね。
言う人は責められることがあるが、
聞くほうが重く受け取りすぎる場合もあるわけで、
それは責められないもんなんだろうか。
傷ついたほうの理論が優先されて然りなんだろうか。
大切な人を思いやった気持ちを否定されるほうも、
それなりに傷つくよね。
だって「頑張れ」って無神経な言葉ではないでしょう。
互いにもっと、言葉の奥の相手を見つめる勇気があれば、
こういうすれ違いは起こらずに済むだろうか。

頑張れって言っちゃダメか。
あなたを想う気持ちをどうにかして届けたいだけなんだ。
昔話風パラレルです。
今回ちょっと流血描写と性描写が入りました。
ご注意ください。

シリーズ全体としてはとうに折り返しを過ぎていたようで、
あと三話か四話で終わります。たぶん。
強い問いかけのある話なので、
あんまり下手に書きたくないなあ、
とか身の程知らずなことを思っていたり。

このあとの展開でヒロインが妊娠します、
命を落とします。
お付き合いくださる方は、どうぞお覚悟ください;
大したものではありませんが、
ハッピーエンドではありませんから。
文次郎がすごく気の毒な話です。

文次郎いつもごめんね、
妙ちきりんなシナリオを演じてくれてありがとう。。
せめてかっこよく書けるように頑張ろう。
 
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のねむ
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