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本編にあとがきが付属しているので、
これ以上言う必要はないわけなのですが、
まぁ他のおはなしと同様の解説を。
あるいは身も蓋もない言い訳、です。

全体に関して何か言うなら……
凝ったのは画像を使ったページ構成と
ファンタジーびしばしの設定を一生懸命描写すること、
あとは副題の付け方でした。
時間配分がダメダメだったせいで
全体的なクオリティが最初に想定していたより
たぶんがっつり落ちているはずなのですが、
タイトルだけはよくできた。
タイトルだけは。そう思っていますorz

あとは続きから。





『ヴァージニア』
■兵助A型
 魔法も使えるのに律儀に煙突から入る。
 ところで百年ほど前のアメリカの住宅に
 火を入れて使う暖炉が一般的にあったかはわかりません。
 一応調べたのですが調べきれなかった、というか、
 時間的に間に合わず諦めました。

■1890年代アメリカ
 これも漠然と調べたのですが、
 自信を持って描写できるほどの情報は
 得られないままでした。
 『若草物語』に行き着けて助かりました。
 作中に登場した『第三若草物語』は、
 かつて世界名作劇場のアニメーションとして
 『ナンとジョー先生』のタイトルで放映されましたので
 御存知の方もいらっしゃるでしょう。
 原作でお料理セットがプレゼントされるシーンは
 本当に憧れました。

■サンタは知り合いの顔でやってくる説
 小学五年生のイヴに、寝付けなくてごろごろしていたら、
 親父様がプレゼント持ってやって来て
 私と妹の枕元に置いていきました。
 泣きました。
 という話を先日母にしましたらば、
 なに言ってんの、サンタは知ってる人の顔で来るんだよ、
 と言われました。
 目からうろこが落ちました。
 その一方で、親父様の顔したサンタクロースは
 寝たふりの私と熟睡していた妹の頭を撫でて、
 「寒くないかな」と呟いていきました。
 泣いたのはそれ聞いたせいだったかもしれません。
 あのとき枕元に来たのがサンタでも親父でも
 とりあえず私は間違いなく幸せな子どもでした。
 愛する人に幸福を贈る、それがサンタクロースで、
 そういう行為をする当人をさして言う語であっても
 架空のキャラクタを呼ぶ語であってもいいんだよな、
 という思いが、そもそものこのお話の根拠です。
 そういう意味も込め、サンタはいると思っています。
 そういう名前の愛が世の中にあると思っています。

『愛する子』
■危険な賭ほどなんとやら
 まさか見つかって咎められるとは思っていませんが、
 一応悪事をやらかす際には『最悪の事態』を
 できるだけリアルに想像してから
 ことに及ぶようにしています。
 これは侮辱と受け取られるだろうか。
 なんだか思いが千々に散ってしまっていて
 明確な理由を述べることができないのですが、
 すごく言い訳をさせていただくとすれば

 ・これは端から端まで私の空想を書き出した物語です
 ・モデルはいますが登場するのは
  あくまでも作り上げられた“キャラクタ”です
 ・私の空想通りでなくて構いませんが
  モデルとなった彼女が彼女なりに幸福だと
  日々思っていてくれればいいなという願いの具現です

 というのがこの話の根底にあるいろいろです。
 情報伝達手段が発達している現代では、
 どんな小さなこともゴシップのようにも報じられてしまう。
 一般人でないひともみんな人間の感情を持って
 生きている以上、
 それで傷つかないというわけではないだろう。
 私という人間は何か思ったら
 それを原動力としてものをつくる人間です。
 その流れの行き着いた先、という作品でした。

■勘ちゃん
 解釈しきれていない尾浜氏を必死で書いた
 不慣れ感がよくよく出ている作品です。
 あっけらかんと、結構ドライで冷静で、
 その何事もなかったような顔の下で
 結構情熱的な愛情とか思いやりを抱いている、
 という程度のイメージで書きました。
 もう少し掘り下げが必要だったと思います。
 ファンの方は申し訳ありません。

■「おれは楽しかった。でも彼女は楽しかったかな」
 おれの自己満足だったかな、というラスト。
 サイト運営について常々私が思っていること。
 自己満足には違いない、という反面、
 結構閲覧者さんを意識してもいる。
 どちらも入り交じって本音。
 私は楽しかった。
 でも皆様は楽しかったかな。
 自問自答に、明確な答えは出てきません。

『明日死ぬ子供』
■予告しすぎた
 作品全体を見渡したときに、
 ああ、ここが書きたかったんだな、
 というのがよくわかる部分が竹谷編でした。
 竹谷を泣かすとか、試験内容が残酷だとか、
 ずいぶんいろいろ、予告しすぎました。
 それでもしも期待してくださった方がいたとして、
 でも大きくがっかりさせる出来ではないと思……
 思いたい。
 自分では、この章だけ少し出来がいいと思っている。
 展開が私らしいと思っている。 
 あまり好かれないだろうとも思っている。

■幸せな普通の家族
 普通の家族で、ものすごくめちゃくちゃなまら幸せ、
 という描写の手抜きをしませんでした。
 あとで明日死んじゃうということがわかったときに
 差分でショックが大きくなるはず、という嫌な計算。
 ねこの名前だとかの小ネタもコミカルを心がけて、
 前半を笑顔で読めるようにすごく頑張りました。
 性格悪い。

■ねこの出産騒動
 たしか『動物のお医者さん』で、
 卵詰まらせた鳥を油使って助ける話があって。
 それも主人公の獣医師候補生がやるんじゃなくて、
 素人の彼の祖母がやるっていう。
 医者なんかいなくても大丈夫なんだって
 それで祖母に言われて主人公困る、みたいな話。
 油持ってこい、という指示はそこから派生しました。

『僕らのヒーロー』
■“主人公”
 ヒーロー、と言われると、
 (便宜上)夢小説慣れしている我々には
 “男性主人公”という連想も容易にできそうですが、
 “英雄”というのが一般的でしょうか。
 そう思わせておいて(?)“主人公”という意味で
 配置したのが今回のタイトル、試験相手、でした。
 意外だったというお言葉もいただきました。
 ありがとうございます。
 読み手さんの想像の裏をかくのが私の楽しみです。
 つくづく申し訳ありません。

■ページレイアウト
 普段からウェブページの配色には
 結構気を遣っているつもりなのですが、
 白地のもくじから濃色の特設ページに飛ぶ不親切さが
 すごく恐くて。
 例によって最悪の事態を考えたときに、
 ポケモンのアニメで光の点滅を見て気絶した子が
 昔いましたが、あれが起きたらどうしよう、とか
 すごく思ってもくじにも注意書きしたりしました。
 でも作中でそんな注意を入れる無粋はどうよと思って、
 背景に黒→白のグラデーションを入れて
 ごまかす手法をとってみましたが、
 このページから次の章に移るときのことは
 考えていませんでしたorz
 しかもいま見たらリンク切れてるorz
 リンクは直しますが
 色の切り替わりはすぐは直せない……

■七面倒な話
 この章に関しては物語とは呼べない出来です。
 ここだけはなんとしても直したい。
 我流哲学かよと突っ込みながらちゃぶ台を返したい。
 しかし 彼ら本人に意思があると思いたいとき、
 私が書いた喜びの様子というものは
 私の押しつけであって彼らの本意でないかもしれない、
 と思って、彼らに白紙をプレゼントしようと思いました。
 本当は白=雪のつもりで画像を使った
 細工をしようと思っていましたし、
 こんなに文章と台詞が交互するだけにしか
 読めない書き方になるはずではありませんでしたし、
 すごい急いでたんだなあとorz
 なんとしても直します。

『五人目の子供』
■あなたへ
 三郎も制作者=私の言葉を代弁しているわけですね;
 作品というのは誰かの目に触れないと
 価値とか意味とか出てこないわけで。
 面倒な作品ばかり放り出しているこのサイトを
 面白がって遊び倒してくださる皆様に、
 いつもなんと申し上げてよいのかわからないのです。
 最大級の愛とキスを。と書いたら、
 ハグを足して返してくださった方がいらっしゃいました。
 ぺぺろんにおける書き手としての私は、
 もうそれで満ち足りてます。
 ありがとうございました。

■説教してた
 最初、三郎のセリフが
 ものすごく説教くさくなってしまって、
 かなり削って直してを繰り返しました。
 他の作品もそうなのですが、
 余計に説教したり説明したり語ったりしないで
 面白い地の文にするにはどうしたらいいんだろうと、
 文章をいじることはよくあります。
 いじった結果でも説教くさいこともあるorz
 お勉強のしどころです。

 * * *

総合して、そもそも五年生の扱いに慣れていない
たどたどしい感じがあらわになってしまって
ちょっとがっかりしております。
比較的書き慣れた六年生なら……と思いもしたのですが、
六年生だと話が可愛い気がしませんでした。
少し可愛い話であってほしかった……と思うと
五年生がやっぱり適役な気分というか。

彼らも妙な話に付き合わせてしまいましたが、
にこにこしながらお疲れさまでした、
と楽屋に引き取っていく姿が見えるような気がします、
というのは御都合主義かもしれませんが。
変な脚本を演じてくれてありがとう、
五年生の皆さん。
脚本の出来はともかく、
あなたたちの出演に関しては
閲覧者さんも拍手を贈ってくれるはず。

あと五年生を書くといえば停滞しまくりの
『雨シリーズ』です。
このあいだ雷蔵の上に雨が降る予感がしました。
今後どうなるでしょう。
まずは竹谷の上に傘をさしてやりたいです。

最後に、
彼らの試験にお付き合いくださいました皆様、
お疲れさまでございました。
どうもありがとうございました。
皆様が幸福なクリスマスを過ごされましたことを、
祈っております。

のねむ拝。
 
プロフィール
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のねむ
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女性
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