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一度下げていたものを直して再アップロードしました。

話の大筋は変わらないのですが、
堅苦しくてだいぶ読みにくい文章だったのを
テキトーに崩してコミカル度を上げる努力をしました。
うまいこといっているといいのですが。

いちばん変更が多かったのは三章目です。
加えた部分も多く、一・二章に比較するとだいぶ長いです。
伊作に頑張ってもらいました。
お姫様ヒロインも、もう少し親しみやすくなったのでは、
と思うのですが、どうでしょう。

学園長先生の度量の広さ深さを一生懸命描写する、
というのをサイト内のいろんな作品を通して
とても大事にしている気がしてきました。
先日発売になった小説版によれば、
雑渡さんもひれ伏すほどのお方のようですから(笑
この方あっての忍者界、忍術学園、先生たちと生徒たち……
という、忍の世界観を支える大黒柱が
学園長先生なんじゃないかなと、思っています。
2013年、明けて一か月経ちまして、おめでとうございましたorz
二月でございます。すみません。
今年もよろしくお願い申し上げます。
ご挨拶が遅れました。
管理人ののねむです。
ファイルに起こすほど煮詰まっていないけれど
ちょっと楽しげだった脳内の風景を小話にして、
新年のご挨拶代わりに置いていきます。

雑渡さんvsヒロインで、
ヒロインは雑渡さんの(便宜上)嫁ということになっている、
という前提でまいります。
雑渡さんに決まったひとりがいるという設定自体が
私にはなかなか飲み込みにくくて、
そこを楽にするために付加設定をくっつけるのですが、
今回もちいました要素は「病弱」「同年代」でした。
雑渡さんと同年代となると少なくとものねむ自身よりは
年上のヒロインということになりますし、
夢小説というものをお好みの年代層は十代、という
私の思い込みからすると感情移入しにくい世代のヒロイン
ということになりそうだなあと思うのですが……
でも忍ってママ夢屋さんとか
大人女子夢屋さんが多いジャンルだなという印象もあります。
というか、同人界が現在のかたちにある程度定着して
広まって自由に操れる頃に十代だった人たちが大人になって、
上の世代が増えたってことなんだろうなとも思っています。
私自身も分類されるなら上の世代という気がしていますし。
まあ、そのへんは、さておき。

久々に 新しく書いたもの です。
ストックに頼らなかったときはちょっと頑張った感が(殴
名前変換がございませんorz
デフォルト名で我慢してください。




つづき
※食満くん視点・彼の口調で進みます
  ヒロインは登場しません


約束もない、予定もない、
少し時間に余裕のある日の夕方だった。
ほとんど暮れかかった空に、
名残を惜しむように茜色がにじんでいる。
雲ひとつない天空には早々と一番星輝いていて、
ただぼんやりと見上げていると、
わけもなく心許ないような切ないような、
そんな気分がしてくる。
こういう感覚を、人恋しいとか言うんだろうか。
最近やっと恋人同士になれた相手に思い当たるより先に、
俺の脳裏によぎったのは子どもの頃の記憶だった。
小学生当時、まだ誰も自分の楽器に出会って間もない頃。
無性に懐かしくて、
さっさと帰って練習室にこもるべきなのに、
俺は今出てきたばかりの校舎へ戻ろうとしていた。
迷路のように入り組んだ廊下を先へ先へ、
向かうのは普段あまり足を踏み入れない区域だ。
ヴァイオリンよりもやや低い、
弦楽器特有のなめらかな音が響いてくる。
講義室のドアのガラスからそっと中を覗き込んだ。
薄暗い室内で、
チェロを弾いている長次の背中が見える。
耳元をくすぐっていく旋律は
バッハの無伴奏チェロ組曲の
第一番・プレリュードとサラバンド、だ。
ヴァイオリンほど音に鋭利さを感じないというか、
ぬるま湯がせせらぎになって
やわらかく耳朶を撫でていくような、
チェロのそういう音の響きが俺はすごく好きだ。
木でできた楽器の音だ、という感じがすごくする。
長次が演ってるから、というのもきっと大きいけど。
演奏が終わって長次が肩の力を抜いたのを見計らって、
ドアの外から拍手を贈る。
長次はそれで俺に気がついて、
振り返ると視線で「入ってこい」と言ってくれた、と思う。
遠慮なく従って講義室に上がり込み、
手近な椅子に腰掛けた。

「それ、今の課題なのか」
「いや。弓ならしだ」

好きな曲だから、と長次は言葉少なに言う。

「何か用があったのか」
「や、帰るとこだったんだけど」
「今日は約束はないのか」
「ないない」

彼女と約束をしていないのか、と長次は言いたいのだ。
長次なりの冷やかしなのだろう。

「外、空がいい具合でさ」

返事のかわりに、長次は窓の外に目をやった。
開け放たれていた窓から入ってくる風は、
もうすでに冷たい。

「まだ夕日の色も残ってるんだけど、星も出てて。
 ちょっとタソガレちゃって、気分が」
「そうか」
「笑うなよ。
 なんかガキの頃のこと思い出してさ。
 みんな楽器習いたての頃」
「懐かしいな」

長次もかすかに口元で笑った。

「なあ、アレ弾いて、久しぶりに」
「どれのことだ」
「『銀河鉄道の夜』の」
「宮沢賢治か。『星めぐりの歌』のことか」
「かな? 題名が出てこなくて」

長次は黙って弓を取りあげ、弦の上にのせた。










「……なあ、長次はなんでチェロにしたんだ」
「テレビで見て」
「はあ。テレビ」
「芸術劇場という番組の……」
「あー」
「あるチェリストの独演会を放映していた」
「へえ」
「そのコンサートではクラシックを演らなかったので
 取っつきやすかったんだろう、子どもにとっては。
 チェロ向きに編曲されているので原曲とは印象が違うが、
 あの演奏通りに弾いてみたいと思ったのが最初だ」
「ふーん。なに演ったの、そんとき」
「ナウシカの映画の挿入曲を二曲と……
 スノーマンのテーマ曲の『walking in the air』、
 エンヤの『water mark』……それから」
「それから?」



「『風の又三郎』。そして『星めぐりの歌』」


 * * *

私がなんとなくチェロを好きだなと思う理由に
このコンサート映像を見たというのがあります。
父がビデオに撮り、のちにDVDに焼いてくれたので、
ときどき見返して心が凝り固まったのをほぐします。
子どもの頃に得たものってかなりあとあとまで
決定的に自分に影響することがあるなあと思います。
第六曲はモーリス・ラヴェル作曲の『ボレロ』になりました。
音楽素人が自分の好みだけで選曲して取り入れていくと
こういうことになるのですね;
世界の音楽・ベストアルバムのポピュラー盤もいいとこです。
本当にメジャーなところしかわからない。
バッハの無伴奏、というのも知らない曲のほうが多いです。
知っている曲も聞いてみなければ合点がゆかず。

こちらも一年近くが経過しての更新だったので、
アップロードの前に全話読み直してみたりしたのですが、
いろいろと拙かったり浅慮であったりとあらが目につきました。
一年で己の腕は大した進化はしていなくても、
過去の未熟さは手に取るようにわかるものなのですね。

友人のシロちゃんと昨日久々に会いまして、
夢小説の話になりました折、のねむ作のお話には
いわゆるポエムなレイアウトのものがないね、
というようなことを言われました。
本文勝負と思ってレイアウトに凝ることをしていないのですが、
この『Novelette』は例外です。
逆をいって、いろいろなジャンルのさまざまなサイトさんに
共通して見受けられる、まるで定型のようなこのレイアウトを
わざわざやってみようというシリーズでした。

そういうわけでシロちゃん、うちにもあります、このレイアウト。
いざやってみるとやっぱり何か流通しているものとは
ずれている感が拭えませんが。

他に倣うことをつまらないと思ってしまうたちなのです。
多少孤独でもいいから、
似たものが他にない面白いことをやっていたいなと。

前章の言い訳で
「次のお話は“休憩20分”にあたる」的なことを
書いたようなのですが(すでに記憶がおぼろげ)、
そこに『ボレロ』を持ってくるとは
身の程を知らないにもほどがございました。。
確かにお話の全体像を見渡してみると
この次の章くらいでひとつ山が来るので、
今回のお話は繋ぎの役割といっても
間違いではないのですが……




つづき
なんとまた
一年以上ぶりの更新となってしまったシリーズです。
すっかり年単位更新になっていますね;
おかげで一話ずつの文章の雰囲気やらが
少しずつ違うという。
こまったこまった。

サイト全体で見ても室町版の更新は去年の11月ぶりです;
(小松田さんの単発ものはちょっと含めがたいので)

副題がちょっと不吉な感じですが
ここからたぶんご想像通りの展開になっていきます。
想像のつく展開なのですが、
どこかで読んだなあという印象には終わらないように
ぺぺろん独自ぽく書けるようがんばります。。

それにしても題名が毎度気になるシリーズです。
開始当時はなんかめんどくさい読み方を設定してたんですが
途中からもうどうでもよくなって。
字面が好きだからという理由だけでつくってしまって
読み方は設定していないということが結構あります。
今この題名は自分では「うなさかきぶん」と読みますが、
なんていうか
「せぶん♪いれぶん♪いいきぶん♪」のお友達みたいな気が(笑

お気持ちが向きましたらば
続きを探しに またいつでもお越しください。
ありがとうございます。
 
プロフィール
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のねむ
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